●業績上方修正する可能性高
塗料などの白色顔料として使われる酸化チタン最大手の石原産業 <4028> 。19年3月期第1四半期(4-6月)は米州やアジアで農薬販売が伸び、酸化チタン輸出価格を引上げ、経常利益前年同期比73%増22.2億円。第1四半期決算発表と同時に上期業績予想を上方修正し、通期計画据置。第1四半期実績の対通期進捗率67.5%と高水準、業績上振れ濃厚。前期は第1四半期決算発表時に上期計画、上期決算発表時に通期計画を上方修正した経緯あり、今年も要注目
●パナソニック系電源機器とパワー半導体メーカーの三社電機製作所 <6882> [東証2]、前期は第1四半期決算発表時に上期計画、上期決算発表時に通期計画をそれぞれ上方修正した実績。足もとの第1四半期はリチウムイオン電池の電極向け銅箔用電源の販売が急増、半導体事業の製品構成が良化、経常利益は前年同期比2.8倍の5.6億円。同社は電気自動車(EV)関連製品に積極姿勢で、急速に拡大するEV市場のニーズを捉えた業績成長期待も大。
●日阪製は対通期進捗率50%超、ユニマRCは急騰性に注目
プレート式熱交換器のパイオニアである日阪製作所 <6247> の第1四半期は化学業界向けバルブやレトルト食品の調理殺菌装置、医薬品用殺菌機などの販売が好調、経常利益は前年同期比89.2%増の7.1億円と業績高変化。第1四半期実績だけで通期計画の半分超の利益を稼ぎ、大幅増額修正期待。第1四半期決算発表時に上期業績予想を上方修正しながら通期計画は据え置いた点も注目
●ユニマット リタイアメント・コミュニティ <9707> [JQ]はユニマットグループの介護サービス大手。19年3月期第1四半期は主要サービスすべての稼働率と入居率が向上、人件費や消耗品費などの継続したコストコントロールも寄与し、経常利益は7.3億円と前年同期比で4割も増えた。第1四半期実績の対通期進捗率は34.6%に。同社は2年連続で11月上旬に業績上方修正した経緯があり、今年も有望視。株価は急騰性が強く、上方修正した翌日の株価はいずれも10%超上昇
●エン・ジャパンは3年連続で上方修正、帝国電は需給面で妙味も
求人サイト大手のエン・ジャパン <4849> は企業の採用ニーズが高止まりするなか、主力の転職求人サイトで広告掲載収入が増加、人材紹介サービスの成功報酬も伸び、第1四半期の経常利益35.5憶円と四半期ベースの過去最高益を達成。株探プレミアム会員向けに提供している【業績修正履歴】を見ると、3年連続で上期決算の発表前または同時に通期業績を上方修正している。活況な市場を追い風に業績拡大トレンドが続いており、今年も上方修正する確度は高。
●帝国電機製作所 <6333> 化学薬品などの輸送に適した完全無漏洩を特徴とする「キャンドモータポンプ」最大手。足もとでは主要顧客である化学業界の旺盛な設備投資需要を追風、国内や中国を中心とするアジア市場向けにキャンドモータポンプの受注を大きく伸。19年3月期は想定為替レートを1ドル=108円に設定し、経常利益は前期比4.5%減の22.7億円を見込むが、円安基調や好調な受注環境を背景に上方修正期待が膨らむ。買い残がほとんどなく、信用倍率0.3倍台と売り長になっており、需給面でも投資妙味がある。
●エイチワンなどホンダ系部品メーカーは円安効果に期待
ホンダ系部品メーカーの3社
車体フレームメーカーであるエイチワン <5989> の第1四半期(4-6月)は金型設備の販売増加や生産コストの低減が寄与し、北米部門の業績が急回復した。対通期計画進捗率は36.2%と高水準なうえ、今期の想定為替レートは1ドル=105円に設定しており、為替面からも上方修正パワーは十分
ホンダ系部品メーカーのケーヒン <7251> 、エフ・シー・シー <7296> も同様の為替設定で対通期計画進捗率は30%を超える
<4028> 石原産 67.5 11/10 36.1
<6882> 三社電機 33.2 10/27 16.2
<9707> ユニマRC 34.6 11/10 8.7
<6247> 日阪製 51.1 11/14 34.5
<4849> エン・ジャパン 33.1 11/8 33.1
<6333> 帝国電 30.5 11/10 20.6
<5989> エイチワン 36.2 10/30 10.3
<7251> ケーヒン 40.0 11/6 17.1
<7296> FCC 33.3 10/27 14.9