テーマ

<4K・8K放送>
【平河ヒューテは超高速ケーブル開発済みで需要に備え】<5821>
通信系を得意とするケーブルメーカー。自動車のエレクトロニクス武装が進むなか、車載用ケーブルの受注が急増、18年4-12月期は営業利益段階で前期比23%増の20億9900万円と大幅伸。強力な収益成長基盤を持つ中小型成長株としてPER10倍台の時価は見直し余地が大きい

 一方、「4K・8K関連」の有力関連銘柄としても光が当たっている。「既に4K・8Kの大容量の情報に対応できる性能を有した超高速ケーブルは開発できており、あとは、コネクターとの兼ね合いなど仕様に応じたものを製造する」(会社側)という段階にある。また、「4K・8K放送という分野のみの需要を考えた場合は、それほど収益インパクトが大きいとも言い切れないが、技術開発という観点から、今後の横展開を考慮した場合にはとても大事にしていきたい分野と考えている」(同)としている。つまり、4K・8Kは放送関連以外に遠隔医療やeスポーツなど、同社の通信ケーブルの製造技術を大きく開花させる舞台が数多いことを、同社は強く認識しているということだ。



<5G>
【北川精機はCCL用プレス世界首位の実力生かす局面に】
400円台前半は絶好の買い場といえる。株価は底値圏からの戻り一服で26週移動平均線の上で売り物をこなしている状況だが、早晩ここを上放れ500円ラインを単なる通過点に上昇トレンドを加速させるイメージがある。
プリント基板プレス関連装置などを展開する機械メーカーで、プリント基板の材料であるCCL成形用真空大型プレス機では世界首位の実力を有している。プレス関連装置については、国内では車載用中心に好調な需要を取り込んでいるが、今後注目されるのは、現在中国や台湾など海外を中心に需要開拓が進んでいる5G基地局向けCCL用プレス機だ。安倍政権では2020年の東京五輪までに5Gの商用化を目指す方向で政策フォローを進めており、国内でもこれから急速に5G基地局のインフラが進捗する見通し

CCL用プレスで抜群の商品競争力を持つ同社の活躍余地は大きく、会社側でも「5G関連の需要取り込みには中期的に期待が大きい」としている。19年6月期業績は営業利益段階で3億8000万円(前期比21%減)を見込むが、第2四半期時点で2億5300万円(前年同期比28%増)と対通期進捗率で67%に達している。海外向け産業機械は第3四半期以降に売り上げが集中することもあり、通期計画は上振れする公算が大きい。



<EV>
【三社電機はリチウム電池向け電源デバイス需要取り込む】
1000円大台を前に株価が煮詰まっているが、早晩ここを大きく上放れることになりそうだ。同社はパナソニック系で半導体モジュールや電源デバイスを手掛ける。パワー半導体分野での技術力の高さに定評があるほか、売上高の7割を占める電源機器部門も高い商品競争力を有す

世界的に普及期に突入した電気自動車(EV)の動力源であるリチウムイオン電池の需給逼迫が言われている。会社側では「当社の主力部門である電源機器はリチウムイオン電池素材メーカー向けの(銅箔用電源の)需要が好調で収益に寄与している」という。今後、EV向けリチウムイオン電池は中期的にも市場拡大が続くことが必至とみられる。そうしたなか「電源機器部門は、リチウムイオン電池素材メーカー向けが来期も貢献するとみている」(会社側)と期待

多くの輸出企業にとって、最近の中国向け需要の減速は覆うべくもないが、同社の場合はこれをリチウム電池に使う電源デバイスで補ってあまりある状況にある。業績は前18年3月期に営業利益段階で前の期比6.6倍の急回復をみせたが、19年3月期営業利益は発射台が高まったにも関わらず、前期比25.5%増の18億5000万円を見込む。PER10倍前後、PBR0.7倍前後の時価は割安感が際立つ。



外国人労働者
フルキャストHDは外国人就労拡大の商機捉える】
アルバイト人材を主軸とした人材紹介サービスを手掛けるが、企業の旺盛な求人需要を背景に業績は拡大基調を強めており、前18年12月期は営業利益段階で33%増益と高変化をみせた。今19年12月期も前期比16%増の68億3000万円と更なる2ケタ成長を見込んでいる。

また、株主還元に前向きであり、13年12月期に14円復配を実施してから今期も含め6期連続の増配、今期は前期実績比6円上乗せの年38円を計画している。決算発表と同時に45万株を上限とする自社株買いも発表しているが、これは同社が総還元性向50%を掲げていることに基づくものだ。
今年4月から改正出入国管理法が施行されることになるが、同社ではこれに先立って昨年10月からフルキャストグローバルを設立し外国人に特化した紹介ビジネスを開始している。会社側では「(フルキャストグローバルは)留学生や技能実習生ではない在留資格を有する外国人を対象としている。(政策的な追い風も背に)将来の成長の布石として今後も注力していく構えだ」としている。これまで労働法制が未整備であったことを背景に、労総者資格を持たない外国人の不法労働が問題視されていたが、改正出入国管理法はこうした不備を是正するということを主眼としており、同社など人材関連事業で高いノウハウを持つ企業にとっては強力な追い風となっていく。



<自動運転車>
【コアは次世代車載システムで成長の翼を確保】
2月に入り動きを一変させ、7日には瞬間風速で1500円台まで上値を伸ばすなど持ち前の急騰習性を発揮した。この時は結果的に上ヒゲ形成となったが、回転売買中心で上値にシコリはなく、1280円近辺を横に走る75日移動平均線をサポートラインに再騰局面に突入する公算大だ。

独立系のシステムインテグレーターで家電や通信向け組み込みソフトなどで優位性を持つ。利益成長率が高く、営業利益ベースでみた15年3月期から前18年3月期まで4年間の平均増益率は44%と目を見張るものがある。これまでの受託型のSIビジネスから採算性の高い提案型ソリューションビジネスへ軸足を移すことで、成長に向けた新たなステージを迎えている。19年3月期営業利益は前期比15%増の15億円を予想。20年3月期も次世代車載システムなどの牽引で2ケタの利益成長が視野に入る。
車載、環境、医療、社会基盤、農業、クラウドの6分野を「重点推進6分野」に設定して積極的に取り組んでいる。とりわけ次世代車載システムなどで高い競争力を持ち、自動運転車の関連有力株としても常にマーケットの視線が熱い。最近ではソフトバンクグループ <9984> が自動運転技術を開発する米ベンチャー企業に1000億円超の出資を行うなど、同分野に一段と傾注する構えをみせていることもあり、再びテーマ買いの動きが復活する可能性