19#11月

【リブセンスは人材分野で活躍、需給相場の芽も】
リブセンス <6054> は10月18日にマドを開けて底値圏を上放れ、300円近辺で三角もち合いを煮詰まらせており、ここから大勢2段上げに向かう可能性が高まっている。
求人情報サイトを運営するが、構造的な人手不足や政府が推進する働き方改革が追い風となっている。成功報酬型ビジネスモデルを特長とするアルバイト求人サイト「マッハバイト」は広告出稿が増勢。19年12月期業績は営業利益段階で前期比23%増を見込んでいるが、不動産情報メディアでは「DOOR賃貸」を売却し、10~12月期に17億5000万円を特別利益に計上する見込みにある。
注目すべきは株式需給だ。18日の急動意を契機に売り残が急増し、株価低位にも関わらず信用倍率は1.1倍台と拮抗、日証金では貸借倍率0.9倍台で逆日歩がついた状態(貸株注意喚起対象)にある。滞留出来高面から300円台から上は真空地帯で意外高に進む可能性を内包している。<急騰性3・中長期的上値余地4>



【ダイトーケミは半導体用感光材で戻りの緒に就く】
ダイトーケミックス <4366> [東証2]は目先急動意し400円台に歩を進めているが、急騰力抜群で天井も高く、中長期スタンスで絶好の仕込み場となろう。
感光材料のトップメーカーであり、半導体向けで需要を捉えるほか、医薬中間体、イメージング材料などにも展開する。ここにきて半導体市況の底入れ観測が同社にとって追い風として意識されており、水準訂正相場に火が付いた株価中低位の半導体関連物色の波に乗ることが予想される。
今週10月29日の取引時間中に19年4-9月期の決算を発表したが、会社側従来計画を上回る内容で20年3月期の営業利益を5億円から5億5000万円に上方修正、これを手掛かり材料にストップ高に買われた。上方修正後でも前期比3割減益となるが、半導体関連は回復の兆候が見えると株価は急速に底入れの動きをみせるのが通例。同社株は1996年に2890円の上場来高値、最近では2017年1月に1059円の高値をつけており戻り余地が大きい。<急騰性5・中長期的上値余地3>



【藤コンポはMg電池&半導体で急騰DNA内在】
藤倉コンポジット <5121> は400円台前半で売り物をこなしジリジリと水準を切り上げてきたが、ここからスケールの大きい上昇局面に向かう可能性がある。
ゴム引布加工品などを主力に産業用資材を手掛けるが、ポスト・リチウムイオン電池関連として高い人気性を内在させている。現在は非常用マグネシウム空気電池「WattSatt(ワットサット)」を手掛け、スマートフォン向け災害時対応商品として好調に受注を伸ばしているが、スマホにとどまらず将来的な商品展開力に思惑が膨らむ。 半導体関連の制御機器については世界的な半導体設備投資需要の回復が、今後追い風要因として注目される。
20年3月期は営業利益段階で前期比64%増の15億円を見込む。これは米中貿易摩擦の余波もあって未達の可能性があるが、株価への織り込みが進んでおり、その一方で純資産が厚く、PBR0.4倍台は指標面から割安感が際立つ。株価は2013年12月から14年1月にかけてマグネシウム電池関連として稀に見る急騰を演じ、1750円の高値まで買われた経緯がある。<急騰性4・中長期的上値余地5>



【IMVは底値買い好機、EV関連で再浮上の機熟す】
IMV <7760> [JQ]は底値圏に位置しており、元来の人気化素地を開花させるタイミングが再び近づいているようだ。
同社は振動関連の試験装置メーカー最大手で、受託試験サービスも請け負う。国内シェア7割弱と圧倒的、世界でも約3割のシェアを誇る実力を持っている。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などに搭載するリチウムイオン電池の温度・振動などの複合環境において充放電の性能を確認する受託試験も手掛けており、EV市場の成長を背景とした車載2次電池関連として将来的な収益機会拡大に対する期待が大きい。
このほか、トラックなどで運搬中の商品が揺れに耐えられるかを検査する輸送試験機で従来比半額に抑えた低コストの輸送試験機を開発、需要開拓に本腰を入れる構えにある。19年9月期の業績は下方修正の懸念があり、それを理由に上値が押さえられてきたが、逆に底値買いのチャンスを提供している。<急騰性3・中長期的上値余地3>



【三光合成は高技術光る、底入れ初動で上値余地大】
光合成 <7888> は10月中旬を境に上放れてきたが、適度にブレーキを利かせながら5日移動平均線を絡め上値指向の強いチャートを形成している。
自動車向けを主体とする樹脂製部品の大手メーカーで、その技術力の高さに定評がある。炭素繊維の強度を生かす成形技術の開発など高度な技術力で優位性を持っており、金属3Dプリンターを活用した金型製造では業界の先駆的存在だ。
米中貿易摩擦の影響もあって、20年5月期第1四半期(6-8月)は営業利益が前年同期比74%減と大きく落ち込み、最終損益は赤字となった。しかし、株価面では足もとの収益不振は織り込まれており、決算発表後に上値追いをスタートさせた。業績悪も今はまだ第1四半期の結果しか見えておらず、米中協議の進展期待を背景に下期以降の改善期待は強い。時価はここ2年のタームをみれば底入れの初動段階。PER8倍台、PBR0.6倍台で株価指標面の割安感から、中期スタンスで仕込み妙味が大きい。<急騰性3・中長期的上値余地4>

                 
中長期的
銘柄     急騰性    上値余地
ダイトーケミ <4366>  ☆☆☆☆☆  ◆◆◆
藤コンポ <5121>    ☆☆☆☆   ◆◆◆◆◆
リブセンス <6054>   ☆☆☆    ◆◆◆◆
IMV <7760>     ☆☆☆    ◆◆◆
光合成 <7888>    ☆☆☆    ◆◆◆

5万以下19年11月

東証1部上場銘柄を対象に、(1)最低投資金額が5万円以下、(2)時価総額50億円以上、(3)株主資本比率が50%以上、(4)PBRが1倍以下――を条件に投資妙味が高まる割安「お宝候補」27社を選び出し、最低投資金額の低い順に記した。(※最低投資金額、PBRは1日現在)

           最低投資 株主資本  実績
コード 銘柄        金額   比率   PBR<1514> 住石HD     14000   88.3  0.62<9479> インプレス    16200   63.6  0.69<7727> オーバル     25800   59.8  0.45<9067> 丸運       27200   59.2  0.35<9930> 北沢産      27600   52.9  0.57<4531> 有機薬      30000   50.9  0.61<5363> TYK      31700   66.0  0.51<8285> 三谷産業     32900   50.3  0.59<6489> 前沢工業     38900   57.3  0.43<1914> 日基技      38900   77.1  0.45<8127> ヤマトインタ   39100   74.2  0.46<8230> はせがわ     40300   57.0  0.75<6356> 日ギア      42600   72.3  0.76<1921> 巴        42600   54.6  0.56<6853> 共和電      43100   67.8  0.76<1826> 佐田建      43400   52.4  0.52<9412> スカパーJ    44700   59.2  0.60<9995> グローセル    44700   70.1  0.47<7277> TBK      45100   54.0  0.44<7246> プレス工     45800   54.6  0.57<5408> 中山鋼      47000   64.8  0.32<5121> 藤コンポ     47600   67.8  0.45<6480> トムソン     48100   58.1  0.58<5986> モリテック    48700   51.8  0.81<5985> サンコール    48800   70.8  0.43<3512> フエルト     48800   75.4  0.58<8881> 日神不動     49400   55.3  0.42

19年10月22

●太平電は修正した上期予想の対通期進捗率が70%超

 火力発電所原子力発電所の補修工事に強みを持つプラント工事大手の太平電業 <1968> は、20年3月期の第1四半期(4-6月)決算と同時に上期業績予想の上方修正を発表し、経常利益を従来の19億円から37億円へ2倍近く引き上げた。火力発電設備などの補修工事が想定より増加することに加え、施工効率の向上やコスト削減も利益を押し上げる。修正した上期予想の通期計画(52億円)に対する進捗率は70%を超えており、業績上振れは濃厚とみられる。今期は期初計画で配当を前期比20円減の60円にする方針としているが、業績上方修正に踏み切れば、配当増額の可能性も高まりそうだ。

オルガノは13年ぶりの最高益“大復活”を視野

 続いて紹介するのは電力や半導体関連向け水処理装置メーカーのオルガノ <6368> 。第1四半期は国内、中国、台湾で電子産業分野を中心とする手持ちの大型工事が順調に進んだうえ、メンテナンスなど利益率の高いソリューションサービスも好調だった。また、コスト削減の進展でプラント部門の採算も改善し、売上高が前年同期比19%増の201億4900万円、経常利益は同55倍の13億6700万円といずれも高変化を遂げた。これを踏まえ、上期の経常利益を従来予想の2.8倍となる43億円に大幅上方修正した。通期計画は65億円を見込むが、上期予想の増額幅(27億5000万円)を考慮すると、07年3月期に記録した最高益74億2800万円を13年ぶりに塗りかえる公算が高い。

●さくらネットは1Q実績だけで対通期進捗率57%に到達

 データセンター大手、さくらインターネット <3778> の第1四半期決算は国立研究機関向け高火力コンピューティングなど専用サーバーサービスが急増したほか、VPS(仮想専用サーバー)やクラウドサービスの利用者増加が継続し、売上高が前年同期比16.4%増の51億2200万円、経常利益は同4.3倍の2億7300万円に膨らんだ。経費や人件費が想定を下回ることを踏まえ、期初段階で減益予想だった上期の経常利益を一転して増益予想に大幅上方修正している。通期計画は据え置いたものの、第1四半期実績だけで通期計画に対する進捗率が57%に到達しており、業績上振れが期待される状況にある。

●関電化の期初予想はネガティブ

 関東電化工業 <4047> は純度の高いフッ素ガスを効率的に生産する技術に優位性を持つ化学薬品メーカー。半導体・液晶用特殊ガスの製造を主力とする。20年3月期は主戦場である半導体と液晶パネルの市況悪化を背景に、経常利益段階で前期比41%の大幅減益を見込む。ただ、同社は6年連続で期中に通期計画を上方修正した実績を持っており、今期も上方修正への期待は大きい。足もとの業績は半導体・液晶用特殊ガスの販売が落ち込む一方、電気自動車(EV)など車載向けの需要が本格化しているリチウムイオン電池材料が好調だ。また、原材料単価や固定費が想定を下回る水準で推移しており、第1四半期決算発表とあわせて上期予想の大幅上方修正に踏み切っている。同社は底入れ期待が台頭する半導体関連の周辺株としても注目度が高く、株価は下値を切り上げる展開が続く。

●宮地エンジは期中に上方修正する確率9割

 宮地エンジニアリンググループ <3431> も関東電化工業と同様に期初予想を保守的に見積もる傾向が強く、過去10年間のうち、期中に上方修正しなかったのは16年3月期の1回のみだ。20年3月期は前期に利益を稼ぎ出した好採算の大型工事がなくなり、経常利益ベースで前期比2割減少する見通しであるが、上方修正する確率9割の実績を踏まえると、今期も通期計画を増額する可能性があるとみて良さそうだ。指標面では予想PER5.5倍、PBR0.5倍、配当利回り3.4%と割安感が強く、株価の水準訂正余地は大きい。また、政府が国土強靭化政策を進めるなか、橋梁大手の同社はインフラ整備でチャンスを捉える公算が高く、今後の活躍が期待されている。

インフォコムは「めちゃコミック」高成長

 インフォコム <4348> は電子書籍市場の拡大を背景に、子会社アムタスが運営する国内最大級の電子コミックストア「めちゃコミック」の高成長が続いている。第1四半期決算では広告強化などが奏功し、電子コミック配信サービスの売上高は前年同期を3割も上回った。また、電子書籍と並んで注力分野に掲げるヘルスケア事業では、病院向け就業管理システムの販売が増勢だ。業績好調に伴い、上期経常利益予想を14%上方修正したが、通期計画は据え置いた。海賊版サイトの閉鎖も追い風に勢いに乗っている電子コミック部門の更なる成長加速に期待したい。

●タカギセイコーは10月下旬に注目

 工業用プラスチック成形品やプラスチック成形用金型の製造を手掛けるタカギセイコー <4242> [JQ]は第1四半期決算発表と同時に、上期の経常利益予想を従来の4億8000万円から7億円(前年同期比9%増)へ大幅上方修正した。国内で主力の自動車用部品、海外ではOA(その他)分野の受注が想定より伸びる。また、原価低減が進むことも利益上振れの要因となる。同社は前期まで4年連続で10月下旬に通期業績を上方修正した経緯があり、今年も上方修正する可能性は高そうだ。

◇20年3月期経常利益予想の上方修正有力候補

コード 銘柄名    通期計画 上期予想 進捗率<1968> 太平電      5200   3700  71.2<6368> オルガノ     6500   4300  66.2<3778> さくらネット    480    310  64.6<4047> 関電化      5700   3300  57.9<3431> 宮地エンジ    3600   1700  47.2<4348> インフォコム   7800   3300  42.3<4242> タカギセイコ   2110    700  33.2

上方

東京産業 <8070> は9年連続、日本M&Aセンター <2127> は6年連続、日特建設 <1929> は5年連続、日東富士製粉 <2003> は4年連続で、上期決算発表前にそれぞれ経常利益予想を上方修正している。

 また、直近5年間のうち4回、上期決算発表前に上方修正した履歴がある、グリムス <3150> [JQ]、日新電機 <6641> 、スズケン <9987> 、ロンシール工業 <4224> [東証2]も有力候補としてマークしておきたい。このほか、対上期進捗率が70%を超え、かつ同進捗率が過去5年平均を大幅に上回っている櫻島埠頭 <9353> [東証2]、シュッピン <3179> 、富士ソフトサービスビューロ <6188> [東証2]も業績上振れ<9353> 桜島埠      226   34.2    50   113 25.8 *<3150> グリムス     86.2   42.1    675   582 20.3<8070> 東京産      84.2   44.6   1000   842  7.1 *<2003> 日東富士     79.6   56.7   1700   1353 11.0<1929> 日特建      77.0   23.3    700   539 12.2 *<3179> シュッピン    71.5   45.0    736   526 24.4<6188> 富士ソSB    70.3   42.8    380   267 18.6<4709> IDHD     67.6   53.5    760   514 12.9 *<9888> UEX      66.3   36.0    400   265  8.4<6161> エスティック   64.1   48.0   1001   642 12.2 *<7404> 昭和飛      61.6   49.1   1000   616 32.7<2127> 日本M&A    58.2   44.3   6750   3928 52.9 *<6641> 日新電      55.6   27.0   2000   1112 14.6 *<8088> 岩谷産      55.3   45.4   11500   6364  8.9 *<9987> スズケン     47.1   30.3   13200   6211 24.4 *<4224> ロンシール    44.9   39.0    750   337  6.5<6919> ケル       44.7   37.8    349   156 11.1<9792> ニチイ学館    39.4   27.5   4000   1574 17.2

10以下、株

<5020> JXTG     48930   1.3 515000    3  4.9<8070> 東京産      49200  16.6  3000    3  6.6<5288> アジアパイル   52600   5.2  5100    4  6.2<6210> 洋機械      57300   2.9  2200    4  8.7<2418> ツカダGHD   58800   5.8  5560    3  9.0<1893> 五洋建      59200  11.0  29500    7  8.7<2734> サーラ      61700   6.9  6000    3  10.0<8593> 三菱Uリース   64300   7.3  94000    3  8.2<7745> A&D      71800  37.2  3680    5  6.5<8908> 毎コムネット   74000   5.5  2030    8  9.9<1879> 新日本建     74800   1.1  14700    8  4.3<5702> 大紀ア      75400   5.0  7480    7  5.7<8892> 日エスコン    77800   6.7  11200    8  6.8<3355> クリヤマHD   81800  18.2  3250    3  7.6<5805> 昭電線HD    83400   3.5  5800    3  5.5<7266> 今仙電機     89000  21.9  4500    3  5.8<6890> フェローテク   91800   0.5  8100    6  7.2<7438> コンドー     92400   1.4  4080    10  9.0<7205> 日野自      94200   3.7  87000    3  9.7<5933> アルインコ    94500   1.3  3350    3  9.4<1942> 関電工      97400   9.1  33600    7  9.2<6237> イワキポンプ   99400   0.8  2869    5  9.8

上方 良さげ

上方修正“先回り”
<3671> ソフトMAX   454   112    59    13 26.2
<3663> アートSHD   304   259   252    83 85.6
<3649> ファインデ    142   113   285    201 56.2
<8029> ルックHD    107   86.4   639    600  3.8
<3852> サイバーコム   101   95.6   266    264 36.0
<9702> アイエスビー   98.0   68.2   490    500 14.6
<1663> K&Oエナジ   94.1   66.8   2071   2200 21.4
<3630> 電算システム   93.9   62.7   783    834 26.2
<6143> ソディック    86.7   37.6   2168   2500  9.3
<3683> サイバーリン   83.9   63.5   187    223 15.5

<2384> SBSHD    82.9   37.6   3729   4500 12.6
<2311> エプコ      79.6   42.7   113    142 29.8
<6789> ロランドDG   79.4   37.7   794   1000 16.0 ★
<1429> 日本アクア    79.3   44.4   357    450 22.7
<2124> ジェイエイシ   77.6   48.7   2110   2720 22.3
<4221> 大倉工      74.3   33.1   1152   1550  7.9
<9749> 富士ソフト    71.3   54.6   3995   5600 22.0
<2169> CDS      71.1   59.1   436    613 10.2
<4286> レッグス     68.5   37.3   274    400 23.6 ★
<9416> ビジョン     68.1   60.1   980   1439 39.3

<9631> 東急レク     67.3   36.5   436    648 32.3
<8914> エリアリンク   65.9   46.6   1177   1785  8.3
<4812> ISID     65.3   57.5   2567   3930 19.7 ★
<6099> エラン      64.9   54.9   435    670 55.3 ★
<6376> 日機装      64.2   17.5   1927   3000 13.1
<2266> 六甲バタ     63.4   43.6   958   1510 25.3
<7841> 遠藤製作所    61.1   22.8   196    321  6.6 ★
<5105> TOYO     60.7   46.9   9406   15500  9.1

 

 

良さげ

システム情報 <3677>
独立系システムインテグレーターで金融業界や通信業界向けを中心にソフトの受託開発。ソフトウェアの迅速な開発を目的とした手法「アジャイル開発」が注目されるなか、昨年9月からこのアジャイル開発を総合的にサポートするサービスを提供。業績面もAIを活用したコグニティブサービスやRPA、クラウド、サイバーセキュリテイー分野などの案件が伸び、急成長路線。
19年9月期営業利益は前期比27%増の12億5000万円を計画、20年9月期も2ケタ成長トレンドに変化。4月1日につけた986.5円(分割後修正値)が上場来高値だが、ここを上抜けば戻り売り圧力から解放された青空圏を走ることになり、上昇余地は見た目以上に大


東邦システムサイエンス <4333>
金融系に強いシステム構築会社で富士通などをはじめ大手IT企業との連携。業績も19年3月期の15%営業増益に続き、20年3月期も2ケタ近い伸長を見込むなど好調。また、筆頭株主光通信 <9435> であり、昨年来買い増しを続けている点は注目される。システム構築力を強化してAIやIoTなどの技術を活用した案件獲得を推進、大型案件の獲得が進んでおり、非金融系でも医療分野などの需要を開拓している。企業のIT投資意欲を背景としたクラウドや電装化が進む車載システム開発など成長分野で顧客獲得に力を入れていく構えにある。来期以降も増収増益基調が続く公算大で15倍前後のPERと2.6%前後の配当利回りは見直しが必至だ。株式需給面で信用買い残は枯れた状態にあり、動き出せば想定以上に快足を発揮するタイプの銘柄といえる。<急騰性5・中期的上値余地4>


北陸電気工業 <6989>
1000円大台を前にしてのもみ合いは絶好の仕込み場とみたい。日々の出来高は薄いが人気素地は十分、信用買い残も枯れており動意づけば上値の軽さを浮き彫りにしよう。スマートフォンなど情報端末向けモジュール製品を主力とする電子部品メーカーだが、世界で初めて微小電気機械素子(MEMS)の量産に成功するなどその高技術力に定評がある。最近は車載向けが伸びて収益に貢献している。自動車のエレクトロニクス武装が進展するなか、CASEや5G対応の次世代技術を調査する事業開発戦略部を新設、独自のテクノロジーを駆使して付加価値の高い新デバイス開発に傾注する構えをみせる。技術をウリにしている会社ながら、バリュー株としての特性も際立つ。PER9倍前後、PBR0.6倍台、配当利回り3%台はあまりに割安といえる。仮に1株純資産レベルまで買われたとして株価は1500円台という高みに到達する。<急騰性4・中期的上値余地4>


MCJ <6670>
強力な戻り足を形成しているが、上昇トレンド構築はここからが本番となろう。株価は5月大型連休明けから値を崩したが、600円台後半で売り物をこなし、6月相場で出直りが急となっている。同社はパソコン関連製品の受注生産を手掛けネットで直販している。「マウス」ブランドは「乃木坂46」を起用したテレビCM効果などもあって消費者に浸透している。モニター販売が好調を持続、これはデジタルサイネージの提案営業で欧州を中心に需要開拓が進んでいるためだ。19年3月期は営業利益段階で前の期比14%増の96億8800万円と2ケタ成長を達成し、20年3月期も4%増の101億1000万円予想と増益トレンドが続く見通し。会社側見通しは保守的で期中に上方修正の可能性がある。戻り足は急だが日足陽線が多く、継続的な実需買いの跡をうかがわせる。PERは依然として11倍前後と割安感がある。<急騰性3・中期的上値余地3>


システム ディ <3804> [JQ]
6月10日にマドを開けてストップ高に買われ、その後も600円台後半から700円台前半で売り物を吸収、上昇第2ステージに向けたエネルギーを蓄えている。早晩ここを上に放れ、昨年12月の急落前の戻り高値水準850円近辺をうかがう展開が想定される。同社は学校法人やスポーツクラブ向けなどを中心に特定業種に特化したソフトウェアを開発販売しているが、業績は高成長路線をまい進、16年10月期から18年10月期まで3年間の年間平均成長率は営業利益ベースで約39%という高さを誇る。今期(19年10月期)もパッケージソフトの高品質などが寄与して前期比13%増と2ケタ成長をキープする見込み。次世代学園ソリューションの「CampusPlan Smart」はAIやIoTなど「ソサエティー5.0」に対応したもので、時流に乗る形で市場開拓が期待されている。<急騰性3・中期的上値余地4>


エヌエフ回路設計ブロック <6864> [JQ]
底練りから浮上の気配をみせており、目が離せない場面だ。電子計測器開発で抜群の商品競争力を有し、積極的な新製品投入効果もあって業績は好調、19年3月期は営業利益段階で29%増の14億2400万円と3割近い伸びを確保した。20年3月期は5%増の15億円予想と成長が続く見通し。蓄電関連市場の拡大が続くなか、電源装置の製造能力強化のため山口県に新工場を増設して需要に対応する計画。同社は量子コンピューター関連としても注目度が高い。日米両政府は量子技術分野での連携を強化する方針を確認しており、安倍政権は中核拠点の新設に向けた検討を進めるとともに、「量子技術イノベーション戦略」を策定する方針にある。そのなか同社は、量子コンピューターの研究開発に必要とされる世界最高レベルの信号増幅装置を手掛けていることが材料視されている。<急騰性5・中期的上値余地3>


アイ・ピー・エス <4390> [東証M]
時価1000円近辺は中長期的にみても大底圏となる可能性がある。同社は通信分野でフィリピンを主要ビジネスエリアとする異色企業だ。ベトナムやフィリピン、カンボジアなど成長途上のアジア地域に経営の重心を置く企業が、今の株式市場で成長の隠れテーマとなっており、同社はその代表格の一社。フィリピンの通信事業は売上高拡大が続いている。CATV用国際回線やブロードバンドが投資回収期に入っており、今後の成長を牽引しそうだ。6月21日には、子会社が同国で「5G」に使う周波数の割り当てを受けており、同国での商用化を目指す。近い将来に5G分野での先行者メリットが鮮明化されよう。一方、医療・美容事業では好採算のレーシックが業績の牽引役を担っている。同社で特筆されるのはここ数年来、トップライン、利益ともに目を見張る伸びをみせていることだ。経常利益は17年3月期に前の期比2.4倍と急拡大、これを皮切りに18年3月期は6割増、19年3月期は鈍化したとはいえ2割強の増益、そして20年3月期も11億9000万円とほぼ2割の増益を見込む。<急騰性4・中期的上値余地4>

 

 

 

5以下

金額   比率   PBR

<5563> 新日本電工    19900   64.9  0.43

<5363> TYK      29900   66.2  0.48

<1914> 日基技      35700   74.3  0.41

<1921> 巴        36400   57.1  0.46

<7277> TBK      38400   55.2  0.37

<4997> 日農薬      41400   54.0  0.57

<6853> 共和電      42000   66.3  0.75

<9412> スカパーJ    42300   58.9  0.57

<8692> だいこう     44200   60.0  0.46

<7618> PCデポ     44300   71.7  0.92

<8881> 日神不動     44700   53.3  0.38

<5358> イソライト    45300   63.8  0.87