最高益

増益率トップとなったのは訪日外国人向け旅行手配業務を展開するHANATOUR JAPAN <6561> [東証M]。前期は相次いで発生した自然災害の影響でパッケージ旅行の需要が落ち込み、大幅減益に沈んだ。19年12月期は旅行需要の回復や昨年7月に開業したホテル「Tmark City東京大森」のフル稼働、バスのリースバックへの切り替えによる大幅なコスト低減などでV字回復を目指す。


 2位のウルトラファブリックス・ホールディングス <4235> [JQ]は昨年8月に完了した生産ラインの増強工事により、自動車内装材向けを中心とする合成皮革の生産効率が改善し、19年12月期の経常利益は前期比2.1倍の14億円と4期ぶり最高益を計画する。


3位に入ったバイオ創薬ベンチャージーエヌアイグループ <2160> [東証M]は中国で特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ」の売上増加が続く見通しだ。


 4位にリストアップされたのは、健康保険組合や企業向けに自社開発のシステムを活用した健康管理サービスを提供するバリューHR <6078> 。19年12月期の経常利益は前期比87.2%増の7.3億円と2期ぶりの最高益更新を見込む。健康需要の高まりを追い風に、健康管理や健診代行業務の新規受託が増加するほか、新規設立健保向けの保健事業支援サービスの提供開始なども収益拡大に貢献する。


 5位のGMOペパボ <3633> [JQ]はネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」の利用拡大などでEC支援部門の2ケタ成長を見込む。また、積極投資を続けてきたハンドメイドマーケット「minne」の広告宣伝費を大幅に削減することも利益を大きく押し上げる。


続く6位のALBERT <3906> [東証M]はトヨタ自動車 <7203> 、東京海上火災保険KDDI <9433> との提携効果などが寄与し、人工知能(AI)やビッグデータ分析、アルゴリズム開発案件の受注が増加する計画だ。


 7位のベルトラ <7048> [東証M]は海外・国内旅行の現地体験ツアーに特化した予約サイト「ベルトラ」を運営する。19年12月期は“コト消費”需要が引き続き増加傾向にあるなか、主力とする日本人の海外旅行向けサービスが拡大するほか、ゴールデンウィーク10連休などで海外渡航者数が増えることも追い風となる。


 11位に入ったセレス <3696> は「モッピー」などのスマートフォン向けポイントサイトの運営を主力事業とする。19年12月期はポイントサイトの会員数増加を背景に広告収入が大きく伸びるうえ、昨年7月に子会社化したアプリ開発会社ゆめみの通期フル寄与も収益を押し上げる。


 続く12位には自動発注・在庫最適化ソフト「sinops」の開発・販売を手掛けるリンク <4428> [東証M]がリストアップされた。19年12月期は引き続き主戦場である食品スーパーの省人化ニーズを取り込むほか、食品ロスに悩むドラッグストアを中心に他業態への展開を進める方針だ。小売業最大マーケットの関東圏を含む東日本でのシェア率は低く、成長余地は大きいとみられる。


 16位に入ったスペース <9622> はショッピングセンターを中心とする内装工事会社。19年12月期は大型商業施設の新規出店や既存施設の増床・リニューアルが増加するなか、ディスプレー案件の受注を伸ばし、経常利益は19年ぶりの最高益更新を狙う。